サイテーションとは?SEOやMEOでの効果と獲得方法について

Googleマイビジネスは、2021年11月に「Googleビジネスプロフィール」に名称変更されました。
SEO対策やMEO対策では、サイテーションの重要性が高まっています。
Googleのガイドラインでは、サイテーションは、ローカルSEO/MEOにおいてランキング要因として影響があると触れています。
ここでは、サイテーションとは何なのか?サイテーションの効果事例と獲得方法について解説します。
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サイテーションとは?
サイテーション(citation)とは、「言及、引用、例証」といった意味の言葉です。
使われ方としては、自サイトの「社名、ブランド(店舗)名、サービス名、住所、電話番号」といった特定の固有情報が、インターネット上で記載されていること(言及されている状態)を指します。
サイテーションは、あくまで文字情報として言及されている状態であり、リンクを伴わない状態のことを指します。
サイテーションと被リンクは異なるもの
サイテーションはブランドに関する文言が記載されているコンテンツとなり、被リンク(外部リンク)されているものは全く別の扱いとなります。
外部リンクとは?
外部リンクとは、SEOにおける他サイトからテキストリンク(<a>タグ)によってURL参照されていることを意味します。
被リンクされていることは、第三者から評価されている質の高いコンテンツであると認識され、SEOの評価アルゴリズムの大きな要因を締めています。
※外部リンクは、関連するテーマやトピックを持つサイトから被リンクされていることが重要であり、関連のないサイト(自作自演の相互リンクや、有料リンクなど)からのリンクは評価されない、もしくはマイナス評価となる場合があります。
なぜ、SEOでサイテーションの評価が必要なのか?
SEOにおいては、被リンクされていることは重要なランキング指標ですが、だからといって被リンクされていないサイトは評価されないのでしょうか?
昨今では、SNSが普及しており、Twitterやfacebookなど個人が多くの情報を発信できます。
しかし、これらのSNSでは一般にリンクがあったとしても、nofollow処理されており、外部リンクとしての評価を一切受けません。
現実には、多くのユーザーにブランドやサービスについて言及されているものを検索エンジンが全く評価しないことは偏った情報であり、正確な情報とは言えません。
そのため、検索エンジンはリンクがなくとも、多く言及されている場合は一定の評価を与えていると考えられています。
MEO対策におけるサイテーションの重要性
Googleは、ローカル検索結果のランキングを改善する方法の一つに、「視認性の高さ」を明言しており、ビジネスがどれくらい広く知られているか、知名度が高いことは上位表示の一つの要因となります。
視認性の高さ
視認性の高さとは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。
ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。
たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。
Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。
クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。
ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。![]()
Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法(視認性の高さ)
サイテーションのタイプ
サイテーションの対策は、大きく2つのタイプがあります。
ブランドや店舗に関するポジティブに言及されたコンテンツを獲得する
ブランドや店舗に関する感想や口コミ、評価など、好意的でポジティブな情報を多くのユーザーに発信していもらうことでサイテーション効果を獲得します。
特に口コミサイトやSNSを活用して発信をしてもらえるような環境を作ることが良いでしょう。
ブランドや店舗に関するNAP情報を元にした登録情報を獲得する
店舗情報がある場合は、業種カテゴリのまとめサイトや店舗検索サイトなど、サードパーティのディレクトリ登録サイトへ正しく情報を公開、管理していくことで、サイテーション効果を獲得します。
NAPとは?
NAPとは、店舗の名称(Name)、住所(Address)、電話番号(Phone)の頭文字をとった言葉で、被リンク構築されていない情報と、店舗情報を正確に関連づけるために、3つの文字情報を統一させておくことで、関連のあるサイテーション情報であることを検索エンジンに伝えることができます。
サイテーションの効果事例
海外のデータとなりますが、NAP情報を最適化したディレクトリサイト登録による効果を検証した興味深いデータがあるのでご紹介します。
アメリカの企業「Moz」の検証データです。
参考:Does Listings Management Still Matter for Local SEO? An analysis of 115,000 business locations
サイテーションが可視性に与える影響
この調査は、115,000のビジネスロケーションからランダムに6,000の場所を抽出し、
- 4つのサイテーションサイト(Googleビジネスプロフィール、Facebook、Bing、Appleマップ)に店舗情報を登録したグループ
- それらを含めてさらに10サイト以上のサイテーションサイトを店舗情報を登録したグループ
上記2つのグループで13ヶ月間(2019年9月〜2020年10月)の検索タイプでの視認性(見つけもてもらいやすさ)を分析したものです。
検索項目は、以下の4つ。
- Direct Search(直接検索、ビジネス名や住所で検索した場合)
- Indirect Search(間接検索、サービス名やカテゴリなど関連ワードで検索した場合)
- Maps View(Map表示回数数、Googleマップで表示された回数)
- Search View(検索閲覧数、Google検索で表示された回数)
グラフデータから分かる通り、サイテーションサイトを10以上登録したグループは、各項目において、すべてパフォーマンスが大きく向上しています。
- 直接検索では、+89%
- 間接検索では、+77%
- Map閲覧数では、+65%
- 検索閲覧数では、+91%
中でもGoogle検索での表示回数において非常に大きな伸びを見せる結果となっています。
サイテーションがユーザーアクションに与える影響
さらにユーザーの3つのアクションについても大きくパフォーマンスを伸ばす結果となっています。
これは、視認性が高まっているため、当然の結果とも言えます。
- Directions(ルート検索):+102%
- Phone Call(電話をかける):+13%
- Website Click(ウェブサイトへのクリック):+87%
これらの検証データから言えることは、Googleからある程度媒体として評価されいてるサイテーションサイトへNAP情報を統一した状態で管理することは、検索エンジンに対して好意的な評価を得やすくなると考えられます。
多くの媒体に店舗情報やブランド情報が正しく登録されている場合、検索エンジンはそれらを同一のものと見なし、視認性の高さとなる知名度や人気度といった指標の評価につながります。
引用の正確さと、検索視認性の相関性
以下のグラフは、引用が正確に登録されているものと不正確なものでは、検索視認性が18倍も差があることを示しています。
このデータからも、サイテーション媒体ごとに正確なNAP情報を管理して登録しておくことは非常に重要であることがわかります。
サイテーション評価を獲得する具体的な方法
ここまでは、サイテーションが与える影響とその有用性について解説してきました。
では、これらのサイテーションはどのように獲得していけばよいのか、その具体的な方法、やり方について説明します。
Googleビジネスプロフィール(マイビジネス)に登録する
貴社のビジネスがローカル検索に該当するカテゴリ(店舗運営を伴う事業)では、必ずGoogleビジネスプロフィールの登録は必須です。
なぜなら、Google検索で店舗情報に関する検索結果(ローカルパック)が表示されるのは、Googleビジネスプロフィールの情報だからです。
NAP情報を統一する
サイテーションは、ウェブ上の情報が、リンク関係がない情報と同一のものであるか、マッチさせられることが必要です。
そのため、ビジネス名や住所、電話番号など、固有情報と関連付けられるように、NAP情報を各媒体で統一し揃えておく必要があります。
これは非常に重要です。
例えば、弊社の場合であれば ビジネス名が、「ユニヴァ・ジャイロン」という名前なので、あまり他に同じような名前が存在しない(オリジナル性の高い)ものですので、ビジネス名から関連付けやすいです。
しかし、ビジネス名が、「田中商店、田中医院」などでは、全国に同じ名前の店舗は無数にあり、ビジネス名だけでは自社のものと関連付けることが難しくなります。
そのため、住所や電話番号といった属性情報も一致させることで、サイテーション情報を関連付けることができるようになります。

構造化マークアップを自サイトに追加する
公式サイト内で、住所の記載でビル名を省略したり記載したりなど、記載しているビジネス名や、住所、電話番号などに表記揺れがある場合は、NAP情報の関連付けに影響が出る可能性があります。
そのような表記揺れを全て調整、管理していくにはサイトボリュームが膨大な場合は現実的ではありません。
このようなケースを避けるためにも、構造化マークアップを公式サイト内に設定しておくと、NAP情報の一元化を行うことができます。
構造化マークアップの記載には技術的な知見が必要ですが、後述する「Yext(イエクスト)」を活用することでタグを挿入するだけ実装が可能です。
サードパーティサイトに登録する
サイテーションは、視認性を高める施策が必要となり、より多くのユーザーに認知して貰う必要があります。
そのため、公式サイトだけではなく、口コミサイトや、まとめサイト、業種別検索サイトなど、サードパーティが提供する多くのディレクトリ登録サイトが存在します。
できるだけ多くの媒体に自社情報を掲載することで、ユーザーのタッチポイントが増え、視認性が高まり、最終的にはアクション(経路検索、ウェブサイトへのクリックなど)につながっていくことが、先程の検証データからもわかります。
ポジティブなクチコミを獲得する
口コミを獲得することは、サイテーション施策とは別のものとなりますが、広義には認知度や人気度につながる指標です。
自社のGoogleビジネスプロフィールに口コミを獲得することは、ローカルSEOの評価を高める上でとても重要な施策ですが、サードパーティサイトで口コミを獲得することや、SNSでブランドやビジネスについて感想や口コミなど言及してもらうことは、サイテーション評価を獲得する上でとても重要です。
特に好意的で、ポジティブな感想や口コミは、ポジティブな評価要因となります。
サイテーションの注意点
サイテーションは、自社の情報をウェブ上に多く発信する、または発信してもらうことです。
そのための関連付けにNAP情報の統一が必要ですが、NAP情報はどれくらい一致すべきかで悩む方がおられます。
情報の一致を目的とするなら、文字列の完全一致が望ましいですが、現実的に完全に一致させる必要はありません。
識別できる範囲の揺れであれば問題ないでしょう。
ただしできるだけシンプルに関連付けられるように、ブランド名やサービスは、わかりやすい名称にするなど工夫していくことは大切です。
サイテーション対策ならYext
サイテーションの対策を行うことは、検索数やアクションに大きく影響を与えます。
多くの媒体に自社情報を掲載したり、間違った情報を修正・管理するには現実的には非常に手間がかかります。
このような場合は、店舗情報管理ツールの「Yext」の活用をおすすめします。
Yextは、国際的にGoogleが評価する媒体(日本の場合は約30媒体)に店舗情報を自動登録しNAP情報を含めた店舗情報を一元管理して揃えることができます。

まとめ
サイテーション効果事例や獲得する方法について解説しました。
サイテーションは、SEOにも効果はありますが、ローカルSEO/MEOにおいては、必須の考え方であり対策内容です。
自社ブランドが多くのユーザーに認知されるようサイテーションを獲得していくことをおすすめます。