低品質コンテンツとは?SEOへの影響と見分け方、改善ポイント
SEOでは、ユーザーの検索意図に応えた独自性の高い高品質なコンテンツを作成することが何より重要です。
しかし、ウェブサイトを運用していると、知らない間に量産されてしまった品質の低いコンテンツがサイト全体の品質を毀損し、マイナスの影響を与えていることがあります。
このような場合、SEOにおいてマイナスの影響を受ける低品質コンテンツとはどういうものなのか、よく理解した上で適切に改善する必要があります。
ここでは、低品質コンテンツにはどのようなものが該当するのか、その見分け方や、そもそも低品質コンテンツを作成しないようにするサイト運用方法について解説します。
低品質コンテンツとは?
低品質コンテンツとは、検索ユーザーに対して価値ある情報がない、内容が薄くテーマやトピックがまとまっていないなど、ユーザーニーズが低く、インデックス対象ページとしての品質が足りていないコンテンツを指します。
つまり、検索結果に表示させる必要がないと検索エンジンに判断される品質の低いコンテンツを意味します。
低品質コンテンツがSEOに与える影響
SEOにおいて、低品質コンテンツはマイナス評価の対象となり、サイト全体の品質を毀損します。
厳密には、低品質なコンテンツが少し存在しているからといって大きなマイナス要因とはなりませんが、知らないうちに低品質ページが増えていってしまうと、品質が低いサイトとして認識され、サイト自体の評価もされにくくなっていきます。
できる限り、低品質に該当するコンテンツを作成しないことが大切です。
そのためには、低品質コンテンツとは具体的にどのようなものかを正しく理解し、そのコンテンツが低品質コンテンツに該当するかどうかを判断、見分けられるようにならなければいけません。
低品質とされる具体的なコンテンツの例を解説します。
検索エンジンが低品質コンテンツと判断する例
Googleは公式に低品質コンテンツの例を公開しており、そこでは4つの種類が示されています。
- 自動生成されたコンテンツ
- 独自の付加価値を持たないアフィリエイトページ
- 無断複製されたコンテンツ(コピーコンテンツ)
- 誘導ページ(ドアウェイページ)
自動生成されたコンテンツ
「自動生成されたコンテンツ」とは、プログラムを利用し、いろいろな所から収集したコンテンツを使って自動的に生成したコンテンツです。
ここで間違ってはいけないのは、自動生成そのものが問題なのではなく、自動生成によって検索ランキングを操作するような目的のコンテンツを指している点です。
多くの場合、このような自動生成コンテンツはテーマやトピックなどユーザーの役に立つものではなく、ワードサラダのような意味をなさない文章やコピーされた文章、無断複製のコンテンツをつなぎ合わせたものです。
Googleはこのようなコンテンツはガイドライン違反としてペナルティ措置を取ります。
独自の付加価値を持たないアフィリエイトページ
こちらもアフィリエイトコンテンツ自体が問題なのではなく、商品やサービスの説明を公式サイトからそのまま転載、コピーしただけで独自のコンテンツを持たない、付加価値がないものを指しています。
そもそも独自のコンテンツを持たないページは、アフィリエイトページに限らず低品質とみなされ、検索評価は低くなります。
無断複製されたコンテンツ
Googleはコピーコンテンツや重複コンテンツを嫌います。
独自の付加価値を含まない、他のサイトから流用、転載しただけのコンテンツは評価されません。
誘導ページ(ドアウェイページ)
「誘導ページ」とは、特定のページへユーザーを誘導する目的のページやサテライトサイトを指します。
似たようなページを大量に作成し一つのページへ誘導する手法で、ドアウェイページとも呼ばれます。
具体的な例としては、ほとんど同一の内容で都道府県名や地域名のテキストのみを変更したようなページを大量に作成して、それぞれのページで検索上位を狙って流入を稼ぐような作りのサイトです。
このようなページはユーザーにとって付加価値を提供せず、検索エンジンを騙して検索流入を図る行為であり、ガイドライン違反とされています。
低品質コンテンツの見分け方、判断するポイント
低品質コンテンツは、Googleが明記しているものだけではありません。
広義では、独自性、オリジナルの価値を持たないコンテンツはすべて低品質と判断できます。
内容が薄いページ
コンテンツが独自の情報を持たず、その目的も明確でない場合は、内容の薄い低品質なページと判断されることがあります。
例えば、知名度のない一般の方が、日常の出来事(何時に起きて、何をしたかなど日記のような内容)を記事にしても、トピックとしての価値もなく、検索ニーズもありません。
このような、目的が明確でなく、かつ、内容の薄いコンテンツは、ユーザーに対して有益な情報がないページとして、検索エンジンから評価を得られないばかりか低品質コンテンツとみなされてインデックスもされない可能性があります。
結果的に、こうしたページの存在がSEOではネガティブな要素となります。
SEOを意識してサイト運営(コンテンツSEO)をするのであれば、ウェブサイトのすべてのページに明確な目的を持たせ、Googleが重要視する評価基準「E-A-T」を満たす、専門性の高い高品質なページにしなければなりません。
もし、管理するウェブサイトに内容が薄いページがあれば、しっかりとリライト、修正をして品質を改善しましょう。
コンテンツリライトの注意点については後述します。
重複コンテンツ
重複コンテンツとは、同じサイト(ドメイン)内で同じ内容、もしくは非常に似た内容の類似コンテンツを指します。
検索エンジンは、よく似たコンテンツやほぼ同じ内容のコンテンツがあると、そのどちらを評価すべきかを判断できず(評価分散)、結果として低品質コンテンツと判断する場合があります。
重複コンテンツ、類似コンテンツと判断できるものの必要性があってサイト上に公開している場合はURL正規化を行い、どのページが検索結果に表示すべき正規ページであるかをあらかじめ検索エンジンに伝えておきましょう。
低品質とは限らないコンテンツ
低品質と判断しそうなコンテンツでも、決して低品質とは限らない場合があります。
文字数が少ないコンテンツ
文字数が少ないからといって低品質であるとは限りません。
また、文字数が多いからといって高品質であるとも限りません。
ユーザーの目的を解決するようなコンテンツであれば、文字数が少なくても、たとえ1行のテキストでも重要で品質の高いページであると言えます。
例えば、Q&Aやよくある質問などのコンテンツでは、質問に対する回答が1行ほどの短い文章であっても、ユーザーにとっては調べた内容を解決できる重要な内容となります。
リンク一覧になっているカテゴリページ
ここまで見てきたような、「独自の内容」という観点からすると、カテゴリページなどは、単純なリンク一覧に過ぎないため、独自性がないコンテンツと思われがちです。
しかし、単純なリンク一覧であっても、それがカテゴリで絞り込まれたリストであれば、ユーザーにとっては目的のコンテンツを見つけやすくなる、非常に利便性の高いコンテンツとなります。
そのため、SEOとしての評価も高くなります。
もちろん、なんら目的が絞られていないリンク一覧ページは低品質と判断される可能性がありますので注意してください。
自サイトの低品質ページの見つけ方
低品質コンテンツを見つけるには、Google Search Consoleで「クロール済み - インデックス未登録」として処理されているページから、低品質コンテンツとして該当していそうなページを確認する方法があります。
ここにリストアップされているページは、クロールの結果、検索エンジンの判断によりインデックスに登録されなかったものです。
その理由は様々ですが、内容が薄くコンテンツとしての品質がGoogleの品質基準に満たないものもインデックス未登録として処理されます。
ただし、ここに表示されているページがすべて低品質を理由としてインデックス未登録になっているわけではないことに注意してください。
クロール済み - インデックス未登録に処理されるページのタイプ
- 内容が薄い、インデックス品質基準に満たないページ
- RSSフィードのURL
- 重複ページ・重複コンテンツ
- 誤検知によるケース
Google Search Consoleの「インデックス > ページ > ページのインデックス登録」を表示します。
リストアップされたページから、低品質に該当しそうな、内容が薄い、品質が極めて低いページがあれば改善し、きちんとインデックスされるようにしましょう。
低品質コンテンツの対処方法、改善するポイント
低品質コンテンツに該当しそうな、内容の薄いページや検索結果に表示させる必要のないページは、それぞれの目的に合わせて以下の対応をしましょう。
noindexを設定する
noindexとは、HTMLのmetaタグの一つで、検索エンジンに対してページをインデックスしないように指示するタグです。
低品質に該当するコンテンツであっても、ウェブページとして必要なページは、noindexタグを記述することで、サイト全体の品質を毀損せず、インデックスされたページ全体の品質を保ちます。
noindexの記述方法
head要素に以下のように記述します。
<meta name=”robots” content=”noindex”>
※注意としては、外部リンクなどの評価を得ている重複コンテンツ、類似コンテンツの場合はnoindexではなく、canonicalタグによるURLの正規化をしてください。
コンテンツを削除する
低品質に該当し、かつウェブサイトに特に必要なコンテンツでもなければ削除しましょう。
低品質であっても、必要なコンテンツであれば先述した「noindex処理」を行いましょう。
コンテンツをリライトし品質を上げる
内容の薄いコンテンツでも、リライトで品質を上げられるものは、迷わずリライトし高品質なコンテンツに仕上げてください。
似たような内容の薄いページを統合して、ユーザーの検索意図に応えたコンテンツにすることも大切です。
SEOにおいてコンテンツリライトはとても重要です。
ウェブページは作成して終わりではなく、常にメンテナンスによるアップデートが必要です。
低品質コンテンツをリライトする際は、以下のポイントに注意してください。
これらをすべて満たすことで、検索評価は飛躍的に高まります。
コンテンツリライトのポイント
- コンテンツの主題、目的、キーワードは設定されているか
- どのようなユーザーに向けたものか
- 検索ユーザーのニーズ(目的)を解決できているか
- 他にある情報の寄せ集めではなく、独自の見解や情報が含まれているか
- 同じテーマの他社コンテンツと比較して優位性があるか
低品質コンテンツを量産しない方法
どのようなサイト運営者でも、低品質コンテンツをわざわざ作成しようとしてるわけではないでしょう。
低品質だと認識せず知らないうちに量産してしまっていることがほとんどです。
低品質コンテンツを量産しないためには、以下のことに注意してページを作成してください。
品質を管理するディレクターを配置する
特にオウンドメディアの運営では、複数の記事作成者やライターがコンテンツを作成することになります。
多くの人が好き勝手にコンテンツ作成を進めてしまうと、似たようなコンテンツが知らずに作られ、結果的に重複コンテンツや類似コンテンツが量産されてしまうことになります。
コンテンツ全体をディレクションする立場の人を配置し、各コンテンツのトピックやテーマが独立したものかどうか、ページ同士の関連性を理解したページ構成にしてください。
ストックコンテンツとフローコンテンツを分けて管理する
時期やトレンドに左右されず、いつでも一定の高品質を保つコンテンツはストックコンテンツ(資産系)と呼ばれます。
ストックコンテンツはSEOでも意識的に施策をしていくことで検索エンジンからの評価も得やすく、検索順位の確保や流入の確保にも大きく貢献します。
反対に、ユーザー配信系のライトなもの、ニュースや速報など鮮度を重視したものはフローコンテンツと呼ばれます。
フローコンテンツは拡散されやすく短期的な流入が見込めるメリットがある反面、コンテンツSEOとしては時間の経過とともに情報が古くってしまうというデメリットもあります。
品質自体があまり高くないこうしたフローコンテンツは、その特性から日々量産されるため、フローコンテンツの量が高品質なストックコンテンツを凌駕するようなバランスになってしまうと、サイト全体の品質としてもマイナス評価を受けることになります。
そのため、SEOの観点からは検索流入を意識したストックコンテンツとは別にして考えます。
フローコンテンツはSNSやメルマガなど配信面からの流入を図り、検索流入ではあえて対象外としてnoindex処理するなど、ストックコンテンツとは使い分けて管理することも、インデックスさせるページの品質管理としては重要になってきます。
まとめ
SEO内部対策の一つとして、検索対象外のページをインデックスから除外することはとても重要です。
特にネガティブ要素となる低品質コンテンツをサイトから減らすことは、サイト全体の品質を保つことにつながります。
ガイドライン違反となるような低品質コンテンツは論外ですが、そうでなくても低品質と判断されるコンテンツがある場合は適切に改善し、専門コンテンツが豊富なサイトとして検索エンジンから評価されるようにしてください。
サイトの評価がなかなか上がらない、全体に評価されにくくなってきた、と感じた時はサイトのページ品質をチェックするようにしましょう。