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CV数1.45倍&離脱率−39pt改善:美容EC会員登録フォームに見るGyro-n EFOの効果

2025/10/09
向井 重文
  • EFO
CV数1.45倍&離脱率−39pt改善:美容EC会員登録フォームに見るGyro-n EFOの効果

美容アイテムのECサイトを運営されている企業様の会員登録フォームにGyro-n EFOを導入し、CV数を1.45倍に拡大、離脱率を−39pt改善。
ログ解析によってフォーム項目設計の課題を特定し、ユーザー行動データに基づく改善ポイントを抽出。より使いやすく成果につながるフォームへアップデートした実例をレポートします。

エグゼクティブサマリー

  • 対象は美容アイテムECの会員登録フォーム(PC)。EFO導入のABテストと詳細ログで効果と阻害要因を分析。
  • ABテスト直後の効果
    • CVR 61.86% → 75.00%(+13.14pt)
      → CVRは高いほど良い=会員登録完了が増加
    • 途中離脱率 55.87% → 16.67%(−39.20pt)
      → 途中離脱率は低いほど良い=入力途中でやめる人を大幅に抑制
    • 確定率 32.86% → 72.02%(+39.16pt)
      → 確定率は高いほど良い=エラーなくsubmitできる人が増加
  • 離脱の正体(内訳)
    • 「EFOなし」は確認ボタンクリック後の離脱が48.83%と過半。
    • 「EFOあり」は1.79%まで激減。確認画面での初見エラーを送信前にその場で解消できたことが奏功。
  • エラーの中身
    • submit後エラー率25.33% → 12.47%(約1/2)
    • 集中する項目は電話番号・生年月日・ID・パスワード・メール確認一致などの必須系。
  • 効いた施策
    • 送信ブロックリアルタイム検証必須強調自動カナ・住所補完
    • 必須をフォーム前半にまとめ、任意は後半へ。戻る→やり直しの往復を排除。

指標の見方

・途中離脱率=低いほど良い(離脱の軽減)
・確定率=高いほど良い(エラーなく送信)
・CVR=高いほど良い(最終完了の増加)

Gyro-n EFO導入事例|美容アイテムECの会員登録フォームでCVR61.86%→75.00%(+13.14pt)に向上、途中離脱率55.87%→16.67%(−39.20pt)へ大幅改善。CV数は60→87(1.45倍)。確認ボタン後の離脱48.83%を特定し、送信ブロックとエラー項目リンクで事前解消。入力支援とリアルタイム検証により確定率72.02%まで上昇した成功事例。
美容アイテムECの会員登録フォームにおけるGyro-n EFO導入効果。
CVRは61.86%→75.00%(+13.14pt)へ上昇し、途中離脱率は55.87%→16.67%(−39.20pt)に改善。CV数も60件→87件(1.45倍)に増加。
ログ解析で確認ボタン後の離脱48.83%を特定し、送信ブロックとエラーリンクによる事前解消でエラー発生を抑制。
リアルタイム検証・必須強調・自動入力支援などの改善施策が、スムーズな登録完了率とユーザー体験向上を実現したEFO成功事例。

この記事でわかること

  • どこで離脱していたか
    確認画面での初見エラーが主因だったこと、EFOで事前に検知・誘導することで解消できる点。
  • なぜ離脱したのか
    必須表示の弱さ、形式ミスの遅延検知、エラー位置が分かりにくいなど、UIと検証タイミングの問題を特定。
  • 何を直せばよいか(実務チェックリスト)
    1. 必須を前半に集約、任意は後半へ
    2. 必須の視覚強調(バッジや背景色)
    3. 入力中のリアルタイム検証と短い具体エラーメッセージ
    4. 送信ブロックでその場案内、エラー位置への自動スクロール・フォーカス
    5. 自動カナ・住所補完、電話番号や生年月日の形式補助、メール確認一致チェック、パスワード強度提示
  • 期待できる効果の目安
    本事例では、確認後離脱の48.83%→1.79%への抑制が確定率とCVRの同時改善につながった。
    同様の課題があるフォームでは、上記施策で短期に体感可能な改善が見込める。
  • ログの見方
    途中離脱を「入力途中」と「確認後」に分解し、項目別エラー率(電話番号・生年月日・ID・パスワード・メール確認)を見ると、最小改修で最大効果を狙う焦点が定まる。

対象フォームとEFO設定

EFO導入フォームの内容

項目内容
EFO導入フォームの種類 会員登録フォーム
フォームデバイスタイプ PC サイト用フォーム
フォーム項目数 26 項目(うち必須項目16)

EFOの設定内容

必須のフォーム入力項目EFOの設定内容
お名前 必須入力
お名前(フリガナ) 必須入力+フリガナ自動入力
郵便番号 必須入力
都道府県 必須選択+入力支援(郵便番号から都道府県自動入力
市区町村 必須選択+入力支援(郵便番号から市区町村自動入力
町域 必須選択+入力支援(郵便番号から町域自動入力
電話番号 必須入力+文字数制限+文字種判定(半角数字)
性別 必須選択
生年月日 必須選択
メールアドレス 必須入力+入力支援(メールアドレス形式[正規表現]のエラー検知)
メールアドレス(確認) 必須入力設定+入力支援(確認フィールドの相違チェック)
ID 必須入力+文字数制限
パスワード 必須入力+文字数制限
パスワード(確認) 必須入力+入力支援(確認フィールドの相違チェック)
パスワードリマインダ(質問) 必須選択
パスワードリマインダ(答え) 必須入力
確認ボタン 送信ブロック&エラー項目リンク
各入力必須項目 入力必須項目が一目でわかるカラー設定
リアルタイムエラーチェック
誤操作防止 誤操作による離脱ブロック

「EFOあり」「EFOなし」のABテストの結果

EFOを設定している場合としていない場合のABテストの結果データです。

ABテスト結果のポイント

  • CVR:+13.14pt(+21.24%) … 高いほど良い(最終到達が増加)
  • 途中離脱率:−39.20pt(−70.16%) … 低いほど良い(離脱の軽減)
  • 確定率:+39.16pt(+119.17%) … 高いほど良い(エラーなくsubmitが大幅増)

フォームの完了到達と入力品質の双方で、明確な改善を確認。

ABテスト結果のデータ

計測項目EFO なしEFO あり改善率
ページビュー数 213 168  
ユニークユーザ数 97 116  
確定数 70 121  
途中離脱数 119 19  
確定率※ 32.86% 72.02% 39.16 ポイントアップ
途中離脱率 55.87% 16.67% -39.20 ポイント改善
コンバージョン数 60 87 1.45倍アップ!
コンバージョン率 61.86% 75.00% 13.14 ポイントアップ

※確定率は、エラーのない状態で submit ボタンが押下された率。
※計測期間は1ヶ月

このテストでは、以下の結果となり、Gyro-n EFO 導入による大幅な改善効果が得られました。

Gyro-n EFO導入による美容アイテムEC会員登録フォームの改善グラフ。コンバージョン率61.86%→75.00%(+13.14pt)、フォーム途中離脱率55.87%→16.67%(−39.20pt)、確定率32.86%→72.02%(+39.16pt)に向上。EFO導入により確認画面後の離脱を解消し、入力エラーをその場で修正可能に。リアルタイム検証と入力支援によりフォーム完了率を大幅改善した成果。
美容アイテムECサイトの会員登録フォームにおけるGyro-n EFO導入効果の比較グラフ。
ABテストの結果、CVRは+13.14ptに上昇、途中離脱率は−39.20ptに改善。確定率も+39.16ptと大幅に向上。

Gyro-n EFO ログデータからの分析:ボトルネックはフォームの項目設計

Gyro-n EFO にはフォーム上でユーザーがどのような動きをしているのかを読み取れる詳細なログデータが記録されています。
フォームのログデータを確認し、問題点や改善点を確認していきましょう。

考察1:途中離脱の原因をつかむ

EFOは入力支援による離脱防止に大きく貢献するツールです。今回のデータでも、途中離脱率に大きな改善がみられています。

計測項目EFOなしEFOあり
途中離脱率 55.87% 16.67%

フォームの途中離脱が、 -39.20 ポイントの大幅改善!

「EFOなし」では、会員登録の意思を持ってフォームに到達したユーザーの約56%が途中離脱
項目数やエラー挙動などが、入力ストレスを生み出していた可能性があります。

一方で「EFOあり」は途中離脱率が約17%まで低下。
リアルタイムの入力チェックや自動カナ・住所補完などの入力支援が働き、つまずき要因が解消された結果と考えられます。

次に、ログデータを深掘りし、どの場面で離脱が発生していたのかを内訳で見ていきます。

途中離脱の内訳データ(比率で比較)

計測項目EFO なしPVに対する割合EFO ありPVに対する割合
ページビュー数 213   168  
途中離脱数 119 55.87% 28 15.0%
フォーム項目入力途中で離脱した数 15 7.04% 25 14.88%
確認ボタンクリック後に離脱した数 104 48.83% 3 1.79%

「EFOなし」では、途中離脱数が119件。そのうち、フォーム項目入力の途中で離脱したユーザーは213件中15件(7.04%)とごく一部でした。
一方で、「EFOあり」では途中離脱数が28件。そのうち入力途中で離脱したのは168件中25件(14.88%)と、割合としてはやや増加しています。

しかし注目すべきは、確認ボタンクリック後の離脱数です。
「EFOなし」では104件(PVの48.83%)にものぼる一方、
「EFOあり」ではわずか3件(PVの1.79%)まで大幅に減少しました。

このデータから、EFO導入前は「入力は完了しているものの、確認画面でのエラーや挙動が原因で離脱していたユーザー」が半数近く存在していたことが分かります。
確認画面でエラーが多発すると、フォームへ戻った際にどの項目を修正すべきか分からないという状態になり、
「入力 → 確認 → エラー → 再入力」を繰り返すうちに離脱するケースが多く発生します。

それを裏付けるデータの確認もしっかり取れています。

タイミング別エラー数(submit時)

 アクセス数エラー数エラー率
EFO なし 2440 618 25.33%
EFO あり 2614 326 12.47%

※アクセス数=フォーム項目にアクセスした数(1PV に対し 1 回のみ計測)

EFOなし では、Submit ボタン押下後のエラー率は、
アクセス数に対して、25.33%(618のエラー数)もありますが、

EFOあり では、12.47%(326のエラー数)となっており、
EFOの入力支援機能により確認ボタンクリック時に発生するエラーを約半分まで減らすことに成功しています。

さらに、EFOありでは、送信ブロック機能により、
Submitボタン押下時に確認画面に遷移することなくその場でエラー箇所を案内できるため、
確認画面へ行ったり戻ったりというストレスの大きい動作をさせません。

このことが、確認ボタン押下時の離脱を大幅に減らしている要因と思われます。

では続いて、どの項目でどういったエラーが発生しているのか、
さらに詳しくエラー発生条件を確認してみましょう。

条件別エラー数(種別:必須)

計測項目EFOなしEFOあり
エラー条件別エラー条件別
種別エラー数エラー率種別エラー数エラー率性
お名前(姓) 必須 1 0.57% 必須 2 1.20%
お名前(名) 必須 1 0.57% 必須 4 2.41%
フリガナ(姓) 必須 6 3.45% 必須 3 1.81%
フリガナ(名) 必須 8 4.60% 必須 4 2.41%
郵便番号(前) 必須 6 3.45% 必須 5 3.01%
郵便番号(後) 必須 7 4.02% 必須 6 3.61%
都道府県 必須 6 3.45% 必須 6 3.61%
市区町村 必須 6 3.45% 必須 6 3.61%
町域 必須 6 3.45% 必須 7 4.22%
ご自宅電話番号1 必須 26 14.94% 必須 12 7.23%
ご自宅電話番号2 必須 27 15.52% 必須 13 7.83%
ご自宅電話番号3 必須 27 15.52% 必須 13 7.83%
性別 必須 28 16.09% 必須 15 9.04%
生年月日(年) 必須 26 14.94% 必須 16 9.64%
生年月日(月) 必須 24 13.79% 必須 16 9.64%
生年月日(日) 必須 24 13.79% 必須 16 9.64%
メールアドレス(前) 必須 23 13.22% 必須 14 8.43%
メールアドレス(後) 必須 25 14.37% 必須 15 9.04%
メールアドレス確認(前) 必須 27 15.52% 必須 14 8.43%
メールアドレス確認(後) 必須 29 16.67% 必須 15 9.04%
お客様ID 必須 52 28.89% 必須 28 16.87%
パスワード 必須 49 28.16% 必須 17 10.24%
パスワード(確認) 必須 51 29.31% 必須 19 11.45%
パスワードリマインダ質問 必須 33 18.97% 必須 16 9.64%
パスワードリマインダ答え 必須 32 18.39% 必須 16 9.64%

どこでエラーが起きているか

  • submit押下時のエラーの大半が「必須未入力」
  • とくに電話番号/生年月日/ID/パスワードでエラーが集中。

必須であることが伝わりづらい表示や、項目配置の分散が要因として考えられます。

フォーム設計のポイント:必須をわかりやすく、必須と任意は固めるなどまとめて配置する
フォーム設計のポイント:必須をわかりやすく、必須と任意は固めるなどまとめて配置する

フォーム設計の改善ポイント

フォームを設計する際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  1. 必須を固める・任意は後ろへ
    重要な必須項目はフォーム前半にまとめて配置。任意項目は後半に集約し、未入力のまま進ませない導線にする。
  2. 必須の視覚強調
    「※」だけに頼らず、必須バッジや背景色・アイコンで一目で分かるようにする。ラベル近くに例示(フォーマット・入力例)も置く。
  3. その場で気づける検証
    入力中にリアルタイム検証と明快なエラーメッセージを表示。確認画面で初めて落ちる、を避ける。
  4. 修正しやすいUI
    エラー位置へ自動スクロール/フォーカス、何を直せば良いかを短く具体的に示す。

Gyro-n EFOで以下の支援機能が大きな離脱抑止になっています。

  • 必須強調:必須項目に背景色やバッジを自動付与し、認知ミスを防止。
  • リアルタイム検証:電話番号・生年月日・メール確認一致・パスワード強度などを入力中にチェック。
  • 送信ブロック:submit前にその場でエラーを案内し、確認画面との往復を排除。
  • 入力支援:自動カナ・住所補完・形式補助で入力負荷を低減。

結果として、必須未入力エラーが減少し、確認後にまとめて落ちるパターンを大きく抑制できます。

まとめ

今回の申し込みフォームでは、Gyro-n EFOの入力支援事前エラー検知(送信ブロック)が機能し、確認画面に進む前に不備を解消。確認後に発生していた大量離脱を抑え、確定率CVRがともに向上しました。

Before / After(要点)

観点EFOなし(課題)EFOあり(改善)
途中離脱率(低いほど良い) 55.87%:確認後にエラー発覚→戻る→再入力の往復で離脱 16.67%:入力中にエラーを提示・誘導し、往復を抑制
確定率(高いほど良い) 32.86%:エラーを抱えたまま遷移し、submitに至らない 72.02%:その場で不備解消、スムーズにsubmitへ到達
CVR(高いほど良い) 61.86%:離脱増が成果に波及 75.00%:離脱抑制が成果までつながる

指標の見方:

途中離脱率は「低いほど良い=離脱の軽減」
確定率/CV率は「高いほど良い=送信・成果の増加」

フォームの離脱要因は案件ごとに異なります。
Gyro-n EFOを導入することで取得した詳細ログを分析し、必須強調・リアルタイム検証・送信ブロック・入力支援を組み合わせて、ユーザーが迷わないフォームへ継続的に最適化していくことが重要です。

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