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レンタルサービスのお申し込みフォームでCV数約10倍:Gyro-n EFO導入とログ解析で見えた改善ポイント

2025/10/08
向井 重文
  • EFO
レンタル事業のお申し込みフォームでCV数約10倍:Gyro-n EFO導入とログ解析で見えた改善ポイント

レンタル事業をされている企業様のお申込みフォームにGyro-n EFOを導入し、CV数を約10倍に拡大。ログ解析で離脱要因を可視化し、入力支援機能だけでは解決できないフォームに潜む問題まで深堀り分析。フォーム設計の見直しなど改善ポイントの結果をレポートします。

エグゼクティブサマリー

  • 対象はレンタル事業のPCサイトの申込みフォーム(EFO導入前後と、その後の半年推移を追跡)
  • ABテスト直後の効果
    • CVR 13.64% → 20.59%(+6.95pt)
      → CVRは高いほど良い申し込み完了が増加
    • 途中離脱率 31.43% → 14.97%(−16.46pt)
      → 途中離脱率は低いほど良い入力途中でやめる人の"軽減"
    • 確定率 17.14% → 27.89%(+10.75pt)
      → 確定率は高いほど良いエラーなくsubmitできる人が増加
  • 途中離脱の内訳
    • 入力途中の離脱 20.7% → 10.9%確認後の離脱 10.7% → 4.1%にいずれも改善
    • ログから、料金プランのプルダウン選択で迷い・離脱が発生している可能性を特定(EFO外の選択肢設計/説明の課題)
  • 半年の追跡結果(導入効果の持続・拡張)
    • CVR 20.59% → 32.68%(+12.09pt)
    • コンバージョン数 14 → 134(約10倍)
    • UU 68 → 410(約6倍)
      トラフィック増 × CVR向上の両輪で月次申込み数が大幅伸長

指標の見方

  • 途中離脱率=完了前に離脱した割合(低いほど良い=離脱の軽減
  • 確定率=エラーなくsubmitできた割合(高いほど良い=スムーズに送信
  • CVR=最終完了の割合(高いほど良い=成果増
Gyro-n EFO導入事例|レンタルサービスのPC申込みフォームでCVR13.64%→20.59%(+6.95pt)、途中離脱率31.43%→14.97%(−16.46pt)へ改善。ログ解析で料金プラン選択の離脱を特定し、UI改善を実施。半年後にはCVR32.68%、CV数14→134(約10倍)、UU68→410(約6倍)と継続成長を達成したフォーム最適化事例。
レンタル事業のPCサイト申込みフォームにおけるGyro-n EFO導入効果。 ABテスト直後、CVR13.64%→20.59%、途中離脱率31.43%→14.97%へ改善。ログ解析で料金プラン選択時の迷いを特定し、EFO外のUI設計も見直し。半年後にはCVR32.68%、CV数14→134(約10倍)、UU68→410(約6倍)とトラフィック増と転換率向上の両輪で継続的な成果を確認。フォーム設計全体の最適化が長期成長につながった成功事例。

この記事でわかること

  • どこで離脱が起きていたか:入力途中/確認後に分解し、プルダウン選択がボトルネックになりうる点を特定
  • なぜ離脱したのか:EFO外因(選択肢が多い・似ている・説明不足・別ページ遷移)による迷いと、EFOで解消できる入力ミスを切り分け
  • フォーム自体の設計分析:プラン選択の選択肢設計・説明テキスト・遷移導線など、EFO以外の情報設計の改善も重要

対象フォームとEFO設定

EFO導入フォームの内容

項目内容
EFO導入フォームの種類 レンタルお申込みフォーム
フォームデバイスタイプ PC サイト用フォーム
フォーム項目数 22 (うち必須項目数 15)

EFOの設定内容

必須のフォーム入力項目EFOの設定内容
お申込み形態 必須選択
お名前 必須入力
フリガナ 必須入力+フリガナ自動入力
郵便番号 必須入力
市区町村 必須入力+入力支援(郵便番号から市区町村自動入力
番地 必須入力
電話番号 必須入力+文字数制限+文字種自動変換(半角数字)
メールアドレス 必須入力+入力支援(メールアドレス形式[正規表現]のエラー検知)
事業内容 必須入力
プラン選択 必須選択
希望開始日 必須入力
お支払い方法 必須選択
内見希望 必須選択
お申込み理由 必須入力
利用規約 必須選択
確認ボタン 送信ブロック&エラー項目リンク
各入力必須項目 入力必須項目が一目でわかるカラー設定
リアルタイムエラーチェック
誤操作防止 誤操作による離脱ブロック

「EFOあり」「EFOなし」の AB テストの結果

EFO を設定している場合と していない場合の AB テストの結果データです。

ABテスト結果のポイント

  • CVR:+12.68pt(+34.9%) … 高いほど良い(最終到達が増加)
  • 途中離脱率:−37.22pt(−78.8%) … 低いほど良い(離脱の"軽減")
  • 確定率:+29.31pt(+102.7%) … 高いほど良い(エラーなくsubmitが倍増)

ABテスト結果のデータ

計測項目EFOなしEFOあり改善率
ページビュー数 140 147  
ユニークユーザ数 66 68  
確定数 24 41  
途中離脱数 44 22  
確定率※ 17.14% 27.89% 10.75ポイントアップ
途中離脱率 31.43% 14.97% -16.46ポイント改善
コンバージョン数 9 14  
コンバージョン率 13.64% 20.59% 6.95ポイントアップ

※確定率は、エラーのない状態で submit ボタンが押下された率。

※計測期間は1ヶ月

このテストでは、以下の結果となり、Gyro-n EFO 導入による大幅な改善効果が得られました。

Gyro-n EFO導入によるレンタルサービス申込みフォームの改善グラフ。コンバージョン率13.64%→20.59%(+6.95pt)、フォーム途中離脱率31.43%→14.97%(−16.46pt)、確定率17.14%→27.89%(+10.75pt)へ向上。EFO導入により入力途中の離脱を軽減し、エラー検知と入力支援の強化でスムーズな完了を実現した成果を示す。
レンタル事業のPCサイト申込みフォームにおけるGyro-n EFO導入効果の比較グラフ。
ABテストの結果、コンバージョン率は+6.95ptへ上昇、フォーム途中離脱率は−16.46ptに改善。確定率も+10.75ptと向上。

Gyro-n EFO ログデータからの分析:ボトルネックはフォームの項目設計

Gyro-n EFO にはフォーム上でユーザーがどのような動きをしているのかを読み取れる詳細なログデータが記録されています。
フォームのログデータを確認し、問題点や改善点を確認していきましょう。

考察1:途中離脱の原因をつかむ

今回のデータで、特に大きな改善がみられているのは、途中離脱率です。

計測項目EFOなしEFOあり
途中離脱率 31.43% 14.97%

フォームの途中離脱が、 -16.46 ポイントの大幅改善!

「EFOなし」では、申込みの意思をもってフォームまで到達したユーザーのうち、約31%が入力途中で離脱していました。
フォームの項目数や入力動作に、ユーザーがストレスや手間を感じていた可能性があります。

一方、「EFOあり」では途中離脱率が約15%まで改善
EFOによる入力アシストやエラー検知がユーザーの負担を軽減し、入力完了までスムーズに進めることで、離脱を大幅に抑制できたと考えられます。

わかりやすく具体的な数値でイメージすると、
フォームに100人が訪れた場合、
EFOなしでは約31人が途中でやめていましたが、EFO導入後約15人まで減りました。
つまり、最後まで進める人が約16人増えたことになります。

途中離脱の内訳データ(比率で比較)

計測項目EFOなしPVに対する割合EFOありPVに対する割合
ページビュー数 140   147  
途中離脱数 44 31.4% 22 15.0%
フォーム項目への入力途中で離脱した数 29 20.7% 16 10.9%
確認ボタンクリック後に離脱した数 15 10.7% 6 4.1%

「EFOなし」では、途中離脱が44件発生しており、そのうち29件(全体の20.7%)が入力途中での離脱でした。
一方、「EFOあり」では途中離脱が22件に減少し、入力途中での離脱率も10.9%まで改善しています。

つまり、Gyro-n EFOの導入によって入力中のストレスやエラーの発生が抑えられ、ユーザーがスムーズに入力を完了できるようになったと考えられます。
結果として、確認画面まで進む割合(入力確定率)が向上し、最終的にコンバージョン率の改善へとつながっています。

さらに分析をつづけると、ある項目では途中離脱率が改善されていないことが分かりました。

各項目に対する、エラータイミング別・条件別データ

 計測項目アクセス数離脱数離脱率エラータイミング別エラー条件別
種別エラー数エラー率種別種別詳細エラー数エラー率
EFOなし プラン選択項目 23 8 5.71% 入力後 0 0.00% 必須   0 0.00%
submit時 0 0.00% 必須   0 0.00%
EFOあり プラン選択項目 32 6 4.08% 入力後 0 0.00% 必須   0 0.00%
#ff6a93 0 0.00% 必須   0 0.00%

エラーの詳細を確認しても、離脱しているにも関わらずエラーが検知されていません。

この項目では、EFOの有無にかかわらず離脱は発生していますが、
「入力後」や「送信時(submit時)」のエラータイミング別データ、および必須項目などの条件別エラーは一切検出されていません。

つまり、この離脱は入力エラーが原因ではないと考えられます。
EFOによる入力支援では解消できない、フォーム外の要因(動線設計や入力意欲の低下など)が潜んでいる可能性があります。

実際にフォームを確認する

実フォームを確認したところ、問題の箇所は料金プランを選ぶプルダウンでした。
この選択時に、ユーザー視点では次のような理由で離脱が起きやすいと考えられます(仮説)。

  • どれが自分に最適か判断できない(比較指標や説明が不足)
  • 詳細を確認するために別ページへ遷移し、そのまま戻らず離脱してしまう
  • 選択肢が多い/似ている/文言が曖昧で迷ってしまう

このように、フォーム設計の中に「その場で判断しづらい要素」や「外部確認が必要な要素」があると、
ユーザーが迷い、入力を中断するリスクが高まります。
こうした"意思決定のハードル"は離脱の主要因となるため、できる限り排除または緩和することが重要です。

また、入力前に用意すべき情報(例:会員番号や書類など)がある場合も注意が必要です。
事前準備が求められるフォームは途中で中断されやすく、
一度離脱したユーザーは再訪せず申し込み自体を断念するケースも少なくありません。

つまり、ユーザーが迷わず"その場で完結できる"フォーム設計が、CVR改善の前提条件といえます。

入力支援(EFO)では回避できない離脱ポイント、考えさせる項目をなくすこと、入力に必要な情報は事前に用意を促しておく
入力支援(EFO)では回避できない離脱ポイント、考えさせる項目をなくすこと、入力に必要な情報は事前に用意を促しておく

Gyro-n EFOは、次のような行動ログを計測・分析でき、ユーザー行動の仮説立案→検証→改善へとつなげられます。

  • どの項目で滞留・離脱したか
  • どの操作(入力後/送信時など)の直後に離脱したか
  • 完了ユーザーはどの動線で進んだか(成功パターン)

この可視化により、入力アシストにとどまらず、
選択肢の整理・説明の補足・遷移導線の最適化といったフォームそのものの改善まで踏み込めます。

結果として、CVRの継続的な底上げが可能になります。

Gyro-n EFO 導入後、約半年でコンバージョン数は10 倍アップの結果に!

今回の申込みフォームは、Gyro-n EFO導入から半年で
CVRが20.59% → 32.68%(+12.09pt)に向上し、コンバージョン数は14 → 134(約10倍)へ増加しました。

同期間にユニークユーザー数は68 → 410(約6倍)へ拡大。
アクセス増とCVR改善が同時に進んだ結果、月次の申込み数も導入前比で約10倍
まで伸長しています。

Gyro-n EFOは、入力ストレスの低減に加えて、行動ログに基づく継続的な改修を後押しします。
今回の事例は、その運用サイクルが定量的な成果につながったケースといえます。

Gyro-n EFO導入後、アクセス数の増加とともにCV率も大きく伸長

項目EFO導入時約半年後
ページビュー数 147 666
ユニークユーザー数 68 410
確定数 41 194
直帰数 84 349
途中離脱数 22 123
確定率 27.89% 29.13%
直帰率 57.14% 52.40%
途中離脱率 14.97% 18.47%
Submitボタンエラー数 19 48
コンバージョン数 14 134
コンバージョン率(CVR) 20.59% 32.68%

※計測期間は1ヶ月となります。

�� アクセス増加とともに、CV数も約10倍アップ!

まとめ

今回の申込みフォームでは、Gyro-n EFOの入力支援事前エラー検知により、ユーザーの入力ストレスを抑え、
確定率(エラーなくsubmit)とCVRの向上につながりました。

Before / After(要点)

観点EFOなし(悪化要因)EFOあり(改善要因)
途中離脱率(低いほど良い) 31.43%:確認画面での検知→戻る→やり直しが発生 14.97%:事前にブロック&誘導し、やり直しを抑制
確定率(高いほど良い) 17.14%:未解決エラーを抱えたまま進行 27.89%:入力中に解消でき、スムーズにsubmit
CV率(高いほど良い) 13.64%:離脱増で成果に波及 20.59%:離脱減が成果まで波及

指標の見方

  • 途中離脱率は「低いほど良い=離脱の軽減」
  • 確定率/CV率は「高いほど良い=送信・成果の増加」

フォームの離脱原因はそれぞれのフォームにより異なるため、EFOを導入し詳細なログデータを分析することで原因を見極め、ユーザーにとって入力しやすいフォームに改善していくことが重要です。

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