レンタルサービスのお申し込みフォームでCV数約10倍:Gyro-n EFO導入とログ解析で見えた改善ポイント

レンタル事業をされている企業様のお申込みフォームにGyro-n EFOを導入し、CV数を約10倍に拡大。ログ解析で離脱要因を可視化し、入力支援機能だけでは解決できないフォームに潜む問題まで深堀り分析。フォーム設計の見直しなど改善ポイントの結果をレポートします。
エグゼクティブサマリー
- 対象はレンタル事業のPCサイトの申込みフォーム(EFO導入前後と、その後の半年推移を追跡)
- ABテスト直後の効果
- CVR 13.64% → 20.59%(+6.95pt)
→ CVRは高いほど良い=申し込み完了が増加 - 途中離脱率 31.43% → 14.97%(−16.46pt)
→ 途中離脱率は低いほど良い=入力途中でやめる人の"軽減" - 確定率 17.14% → 27.89%(+10.75pt)
→ 確定率は高いほど良い=エラーなくsubmitできる人が増加
- CVR 13.64% → 20.59%(+6.95pt)
- 途中離脱の内訳
- 入力途中の離脱 20.7% → 10.9%、確認後の離脱 10.7% → 4.1%にいずれも改善
- ログから、料金プランのプルダウン選択で迷い・離脱が発生している可能性を特定(EFO外の選択肢設計/説明の課題)
- 半年の追跡結果(導入効果の持続・拡張)
- CVR 20.59% → 32.68%(+12.09pt)
- コンバージョン数 14 → 134(約10倍)
- UU 68 → 410(約6倍)
→ トラフィック増 × CVR向上の両輪で月次申込み数が大幅伸長
指標の見方
- 途中離脱率=完了前に離脱した割合(低いほど良い=離脱の軽減)
- 確定率=エラーなくsubmitできた割合(高いほど良い=スムーズに送信)
- CVR=最終完了の割合(高いほど良い=成果増)

この記事でわかること
- どこで離脱が起きていたか:入力途中/確認後に分解し、プルダウン選択がボトルネックになりうる点を特定
- なぜ離脱したのか:EFO外因(選択肢が多い・似ている・説明不足・別ページ遷移)による迷いと、EFOで解消できる入力ミスを切り分け
- フォーム自体の設計分析:プラン選択の選択肢設計・説明テキスト・遷移導線など、EFO以外の情報設計の改善も重要
対象フォームとEFO設定
EFO導入フォームの内容
項目 | 内容 |
---|---|
EFO導入フォームの種類 | レンタルお申込みフォーム |
フォームデバイスタイプ | PC サイト用フォーム |
フォーム項目数 | 22 (うち必須項目数 15) |
EFOの設定内容
必須のフォーム入力項目 | EFOの設定内容 |
---|---|
お申込み形態 | 必須選択 |
お名前 | 必須入力 |
フリガナ | 必須入力+フリガナ自動入力 |
郵便番号 | 必須入力 |
市区町村 | 必須入力+入力支援(郵便番号から市区町村自動入力) |
番地 | 必須入力 |
電話番号 | 必須入力+文字数制限+文字種自動変換(半角数字) |
メールアドレス | 必須入力+入力支援(メールアドレス形式[正規表現]のエラー検知) |
事業内容 | 必須入力 |
プラン選択 | 必須選択 |
希望開始日 | 必須入力 |
お支払い方法 | 必須選択 |
内見希望 | 必須選択 |
お申込み理由 | 必須入力 |
利用規約 | 必須選択 |
確認ボタン | 送信ブロック&エラー項目リンク |
各入力必須項目 | 入力必須項目が一目でわかるカラー設定 リアルタイムエラーチェック |
誤操作防止 | 誤操作による離脱ブロック |
「EFOあり」「EFOなし」の AB テストの結果
EFO を設定している場合と していない場合の AB テストの結果データです。
ABテスト結果のポイント
- CVR:+12.68pt(+34.9%) … 高いほど良い(最終到達が増加)
- 途中離脱率:−37.22pt(−78.8%) … 低いほど良い(離脱の"軽減")
- 確定率:+29.31pt(+102.7%) … 高いほど良い(エラーなくsubmitが倍増)
ABテスト結果のデータ
計測項目 | EFOなし | EFOあり | 改善率 |
---|---|---|---|
ページビュー数 | 140 | 147 | |
ユニークユーザ数 | 66 | 68 | |
確定数 | 24 | 41 | |
途中離脱数 | 44 | 22 | |
確定率※ | 17.14% | 27.89% | 10.75ポイントアップ |
途中離脱率 | 31.43% | 14.97% | -16.46ポイント改善 |
コンバージョン数 | 9 | 14 | |
コンバージョン率 | 13.64% | 20.59% | 6.95ポイントアップ |
※確定率は、エラーのない状態で submit ボタンが押下された率。
※計測期間は1ヶ月
このテストでは、以下の結果となり、Gyro-n EFO 導入による大幅な改善効果が得られました。

ABテストの結果、コンバージョン率は+6.95ptへ上昇、フォーム途中離脱率は−16.46ptに改善。確定率も+10.75ptと向上。
Gyro-n EFO ログデータからの分析:ボトルネックはフォームの項目設計
Gyro-n EFO にはフォーム上でユーザーがどのような動きをしているのかを読み取れる詳細なログデータが記録されています。
フォームのログデータを確認し、問題点や改善点を確認していきましょう。
考察1:途中離脱の原因をつかむ
今回のデータで、特に大きな改善がみられているのは、途中離脱率です。
計測項目 | EFOなし | EFOあり |
---|---|---|
途中離脱率 | 31.43% | 14.97% |
フォームの途中離脱が、 -16.46 ポイントの大幅改善!
「EFOなし」では、申込みの意思をもってフォームまで到達したユーザーのうち、約31%が入力途中で離脱していました。
フォームの項目数や入力動作に、ユーザーがストレスや手間を感じていた可能性があります。
一方、「EFOあり」では途中離脱率が約15%まで改善。
EFOによる入力アシストやエラー検知がユーザーの負担を軽減し、入力完了までスムーズに進めることで、離脱を大幅に抑制できたと考えられます。
わかりやすく具体的な数値でイメージすると、
フォームに100人が訪れた場合、
EFOなしでは約31人が途中でやめていましたが、EFO導入後は約15人まで減りました。
つまり、最後まで進める人が約16人増えたことになります。
途中離脱の内訳データ(比率で比較)
計測項目 | EFOなし | PVに対する割合 | EFOあり | PVに対する割合 |
---|---|---|---|---|
ページビュー数 | 140 | 147 | ||
途中離脱数 | 44 | 31.4% | 22 | 15.0% |
フォーム項目への入力途中で離脱した数 | 29 | 20.7% | 16 | 10.9% |
確認ボタンクリック後に離脱した数 | 15 | 10.7% | 6 | 4.1% |
「EFOなし」では、途中離脱が44件発生しており、そのうち29件(全体の20.7%)が入力途中での離脱でした。
一方、「EFOあり」では途中離脱が22件に減少し、入力途中での離脱率も10.9%まで改善しています。
つまり、Gyro-n EFOの導入によって入力中のストレスやエラーの発生が抑えられ、ユーザーがスムーズに入力を完了できるようになったと考えられます。
結果として、確認画面まで進む割合(入力確定率)が向上し、最終的にコンバージョン率の改善へとつながっています。
さらに分析をつづけると、ある項目では途中離脱率が改善されていないことが分かりました。
各項目に対する、エラータイミング別・条件別データ
計測項目 | アクセス数 | 離脱数 | 離脱率 | エラータイミング別 | エラー条件別 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
種別 | エラー数 | エラー率 | 種別 | 種別詳細 | エラー数 | エラー率 | |||||
EFOなし | プラン選択項目 | 23 | 8 | 5.71% | 入力後 | 0 | 0.00% | 必須 | 0 | 0.00% | |
submit時 | 0 | 0.00% | 必須 | 0 | 0.00% | ||||||
EFOあり | プラン選択項目 | 32 | 6 | 4.08% | 入力後 | 0 | 0.00% | 必須 | 0 | 0.00% | |
#ff6a93 | 0 | 0.00% | 必須 | 0 | 0.00% |
エラーの詳細を確認しても、離脱しているにも関わらずエラーが検知されていません。
この項目では、EFOの有無にかかわらず離脱は発生していますが、
「入力後」や「送信時(submit時)」のエラータイミング別データ、および必須項目などの条件別エラーは一切検出されていません。
つまり、この離脱は入力エラーが原因ではないと考えられます。
EFOによる入力支援では解消できない、フォーム外の要因(動線設計や入力意欲の低下など)が潜んでいる可能性があります。
実際にフォームを確認する
実フォームを確認したところ、問題の箇所は料金プランを選ぶプルダウンでした。
この選択時に、ユーザー視点では次のような理由で離脱が起きやすいと考えられます(仮説)。
- どれが自分に最適か判断できない(比較指標や説明が不足)
- 詳細を確認するために別ページへ遷移し、そのまま戻らず離脱してしまう
- 選択肢が多い/似ている/文言が曖昧で迷ってしまう
このように、フォーム設計の中に「その場で判断しづらい要素」や「外部確認が必要な要素」があると、
ユーザーが迷い、入力を中断するリスクが高まります。
こうした"意思決定のハードル"は離脱の主要因となるため、できる限り排除または緩和することが重要です。
また、入力前に用意すべき情報(例:会員番号や書類など)がある場合も注意が必要です。
事前準備が求められるフォームは途中で中断されやすく、
一度離脱したユーザーは再訪せず申し込み自体を断念するケースも少なくありません。
つまり、ユーザーが迷わず"その場で完結できる"フォーム設計が、CVR改善の前提条件といえます。

Gyro-n EFOは、次のような行動ログを計測・分析でき、ユーザー行動の仮説立案→検証→改善へとつなげられます。
- どの項目で滞留・離脱したか
- どの操作(入力後/送信時など)の直後に離脱したか
- 完了ユーザーはどの動線で進んだか(成功パターン)
この可視化により、入力アシストにとどまらず、
選択肢の整理・説明の補足・遷移導線の最適化といったフォームそのものの改善まで踏み込めます。
結果として、CVRの継続的な底上げが可能になります。
Gyro-n EFO 導入後、約半年でコンバージョン数は10 倍アップの結果に!
今回の申込みフォームは、Gyro-n EFO導入から半年で
CVRが20.59% → 32.68%(+12.09pt)に向上し、コンバージョン数は14 → 134(約10倍)へ増加しました。
同期間にユニークユーザー数は68 → 410(約6倍)へ拡大。
アクセス増とCVR改善が同時に進んだ結果、月次の申込み数も導入前比で約10倍まで伸長しています。
Gyro-n EFOは、入力ストレスの低減に加えて、行動ログに基づく継続的な改修を後押しします。
今回の事例は、その運用サイクルが定量的な成果につながったケースといえます。
Gyro-n EFO導入後、アクセス数の増加とともにCV率も大きく伸長
項目 | EFO導入時 | 約半年後 |
---|---|---|
ページビュー数 | 147 | 666 |
ユニークユーザー数 | 68 | 410 |
確定数 | 41 | 194 |
直帰数 | 84 | 349 |
途中離脱数 | 22 | 123 |
確定率 | 27.89% | 29.13% |
直帰率 | 57.14% | 52.40% |
途中離脱率 | 14.97% | 18.47% |
Submitボタンエラー数 | 19 | 48 |
コンバージョン数 | 14 | 134 |
コンバージョン率(CVR) | 20.59% | 32.68% |
※計測期間は1ヶ月となります。
アクセス増加とともに、CV数も約10倍アップ!
まとめ
今回の申込みフォームでは、Gyro-n EFOの入力支援と事前エラー検知により、ユーザーの入力ストレスを抑え、
確定率(エラーなくsubmit)とCVRの向上につながりました。
Before / After(要点)
観点 | EFOなし(悪化要因) | EFOあり(改善要因) |
---|---|---|
途中離脱率(低いほど良い) | 31.43%:確認画面での検知→戻る→やり直しが発生 | 14.97%:事前にブロック&誘導し、やり直しを抑制 |
確定率(高いほど良い) | 17.14%:未解決エラーを抱えたまま進行 | 27.89%:入力中に解消でき、スムーズにsubmit |
CV率(高いほど良い) | 13.64%:離脱増で成果に波及 | 20.59%:離脱減が成果まで波及 |
指標の見方
- 途中離脱率は「低いほど良い=離脱の軽減」
- 確定率/CV率は「高いほど良い=送信・成果の増加」
フォームの離脱原因はそれぞれのフォームにより異なるため、EFOを導入し詳細なログデータを分析することで原因を見極め、ユーザーにとって入力しやすいフォームに改善していくことが重要です。