スマホフォームの入力モードが途中離脱の原因!【フォーム分析事例2】
入力フォームでのコンバージョン率改善は、フォームから途中離脱をさせず、入力完了率(確定率)を高めることが一番重要なポイントです。
EFOをフォームに導入するだけでもコンバージョン率は改善されますが、入力支援や入力エラーアラートなどの機能だけでは改善できない問題点も、フォームには潜んでいます。
前回のEFO改善事例では、フォームデザインによる影響により、EFOの入力支援機能では改善できない途中離脱が発生している事例を分析、解説しました。
入力フォームの構成・デザインが、意外な途中離脱の原因!【フォーム分析事例1】
今回は、同じフォーム・同じ入力項目でも、PC用フォームでは少ない途中離脱が、スマートフォン用フォームでは大量に発生している事例について、分析・検証をして、離脱ポイントやフォーム作成の落とし穴となるポイントについて解説していきます。
目次
スマホフォーム分析事例:ECサイトで商品購入の際に会員登録を行うフォーム
フォームの種類 | スマートフォンサイト用フォーム |
---|---|
データ取得期間 | 3か月 |
途中離脱が多い項目 | 郵便番号(後) |
このスマートフォン用フォームは、ログデータ上では非常にコンバージョン率も高く、至って問題がなさそうに見えますが、PCサイト用フォームと比較すると一か所だけ途中離脱率が非常に高い項目がありました。
全体的に見てどの項目の途中離脱率も問題ない数値が並んでいますが、郵便番号入力の後半部分(4ケタの数値入力部分)のみ途中離脱率の数値が高くなっています。
フォーム項目 | 途中離脱率 |
---|---|
郵便番号(前) | 0.51% |
郵便番号(後) | 6.39% |
その他の項目の平均 | 0.3~0.6%程度 |
通常ですと、ほぼ問題のない項目の離脱率は1%未満です。この水準より離脱率が高い場合は、フォーム自体に何らかの問題が潜んでいると考えられます。
Gyro-n EFOログデータを確認する
ログデータからここでの途中離脱に繋がるエラータイミングを確認すると、エラーは「入力後」に発生しており、エラー条件は、「必須」エラー(必須項目が未入力)が43.13%と突出して高いエラー率が出ています。
この項目にアクセスしたユーザーの半数近くがエラーを出していることになります。
参考までに、PCサイト用フォームのデータを確認すると、郵便番号(後)の離脱率は若干高めに出てはいるものの、特別注目するほどの数値ではありません。
では、このデータを前提として実際のフォームを確認していきます。
実際の入力フォームを確認・検証する
実際のフォーム上の、郵便番号の箇所はこのようになっています。
一見してごく普通の入力フォームです。
ログデータをもとにユーザーの動き、操作の仮説を立てると、ユーザーは「郵便番号(前)」は問題なく入力を終えますが、続いて「郵便番号(後)」を入力した後で、何らかの操作エラーが発生するため、その入力値を削除、その結果として「必須」エラー(必須項目が未入力)となっていることが考えられます。
フォームを実際に操作してみる
実際にこの入力フィールドを操作してみると、意外なことが分かりました。
郵便番号の入力フィールドは、フォーカスした時点で、スマホの文字キーボードが数値入力モードに変わります。 しかし、この数値入力モードは文字を確定・変換しなければいけないモードであるため、連続する数値を打ち込むと、記号などに変換されてしまいます。
※特に郵便番号の下4桁は「0032」など冒頭に0が連続することが多く、こうした意図しない誤変換が起こる可能性も高くなります。
EFOの入力支援機能には、郵便番号から住所を自動で入力する機能がありますが、これは、数値が確定されるまでは住所候補が表示されません。
よって、この数値入力モードのキーボードで住所候補を表示させるためには、一文字ごとに数値を確定させる操作が必要となってきます。
このような、スマートフォン特有のキーボード操作の都合から、ユーザーの意図としては正しく郵便番号を入力したつもりが、
- 記号に変換された状態で入力してしまった
- 住所候補がでてこないので削除して再入力している
といった状況に陥っていることが仮説として考えられます。
これは、非常に入力ストレスの多いUIのフォームであり、スキマ時間でパッと登録を済ましてしまいたいスマートフォンのユーザーにとっては、途中離脱の大きな原因となりえます。
文字キーボードの入力モードが影響する途中離脱改善ポイント
スマートフォンのフォームでは、正しくキーボード変換が自動で行われるようにしておくことが非常に大切です。
Gyro-n EFOでは、「スマートキーボード変換」機能でこの設定ができます。
郵便番号の入力フィールドには、数値(Number)モードではなく、電話(Tel)モードのキーボードを利用する方が入力ストレスがありません。
このように、PCではそれほど問題にならない、変換モードやキーボードの初期設定も、スマートフォンサイトでは使いやすさに非常に大きく影響します。
EFOで解析するフォームのログデータからユーザーの動きを読み取り、そこにどのような問題が潜んでいるかを見極め、ストレスなく利用できるフォーム・途中離脱させないフォームに進化させていくこともまた、コンバージョン改善にとって大変重要な施策です。
フォーム分析に強いEFOツール「Gyro-n EFO」
入力支援を行うEFOツールは多くありますが、入力支援だけでは改善できないフォームの問題は多くあります。Gyro-n EFOは入力支援機能による大幅な途中離脱改善と、詳細なログデータからユーザーの動きを捉え、問題点の発見と改善に繋げることができます。
Gyro-n EFOは1ヶ月無料トライアルが可能です。
入力フォーム作成の問題点から、Gyro-n EFOの機能・特徴、コンバージョンアップの事例まで、詳しい資料をご覧いただけます。