ラーメン店・平太周 味庵のデータ収集から見えてきたMEOの動向

Gyro-nでは、MEO解析・管理ツールの開発にあたり、テストロケーション店舗として「らーめん 平太周 味庵 五反田本店」をベンチマークし、その検索順位やSERPsの変動、検索時間帯・検索地域・検索地点から店舗までの距離などの際による順位・SERPsの変化など、複合的な調査を行いました。

ここでは、その調査で得られたデータから見えるGoogleマップのアルゴリズムの仮説と考察についてレポートします。

平大周は、五反田駅西口から徒歩5分、JR大崎駅徒歩6分、東急池上線大崎広小路駅徒歩1分に位置するラーメン店です。
濃厚豚骨醤油の、こってりでありながらマイルドな甘味も感じさせるスープに、中太麺と豚の背脂がよく絡む人気のラーメン店です。
見た目のインパクトもありますが、実際に食べてみると思いの外あっさりしていて食べやすいラーメンです。五反田近辺の方はぜひ。

五反田周辺は大型チェーン店や専門店が数多くひしめくラーメン激戦区。
五反田駅周辺でGoogle検索をかけると、ラーメンを提供する店舗が約120件見つかります。

開発中だったGyro-n SEOのMEO機能を利用し、検索地点として以下を設定しました。

• 五反田駅から店舗までをブロックごとに、数十メートル単位区切った各地点
  （五反田駅、西口、東口、西五反田1丁目、大崎広小路交差点）
• 大崎広小路駅から店舗に向かう各地点
  （大崎広小路駅、平太周前）
• 大崎駅から店舗に向かう各地点
  （大崎駅、大崎警察署前）
• 少しエリアが離れている地点
  （御殿山小学校前、品川駅）

2019/6/1〜7/31の2ヶ月間、検索時間帯を店舗の営業時間帯に重なる「昼」に設定し、その順位変動を追いました。
※検索順位20位以下を圏外と表示

【キーワード：ラーメン】

店舗からの距離が遠い検索地点「品川駅」「御殿山小学校前」では平均的に順位が低く、距離が近くなるに従い、順位が高くなる傾向が見られます。

大崎駅は五反田駅に比べて店舗からの距離があるにもかかわらず、平均順位は高い傾向にあります。
これは後述するように、単純に検索地点からの距離ではなく、エリアが住所でブロック化されて検索結果に影響が出ているものと推察されます。

【キーワード：五反田 ラーメン】

地域名が含まれているキーワードのため、距離の要因だけではない順位の傾向が見られます。

この場合、品川駅（港区高輪：1.56km）や御殿山小学校前（品川区北品川：0.88km）などの、比較的店舗との距離がある地点で検索しても高い順位が出る傾向にあります。

逆に、競合店舗数が非常に多くなる五反田駅周辺（西口・東口）では、距離は近いにもかかわらず順位は低く出る傾向が見られます。

【キーワード：ラーメン】

ビッグワード単体では、エリア及び距離の影響が強い傾向です。

【キーワード：五反田 ラーメン】

地域名を含むキーワードでは、ビッグワード単体に比べて距離が離れているエリアから検索しても、順位が高くなります。
地域名と店舗との関連性をしっかりと持たせたGoogleマイビジネスの運用・管理をしておくことが重要です。

五反田駅周辺（五反田駅、五反田東口、西口）では順位が低い傾向となってる。
五反田駅周辺には競合するラーメン店が非常に多いため、距離が優先されている可能性が高い

【キーワード：ラーメン　（検索地点：五反田駅）】

五反田駅は、東五反田エリアと西五反田エリアのちょうど中心に位置しますが、検索結果からみると西五反田エリアの店舗の方が多くランクインしています。

時系列でみると

• 6月16日時点では、大崎エリア、高輪エリアなどの距離が遠い店舗もランクインしている。
• 7月28日時点では、高輪エリアの全店舗がランキング外となった。
• 8月18日時点では、大崎エリアの店舗も減少し、西五反田エリアの店舗が増えた。

アルゴリズムの改修によりクチコミや評価など、ランキングの要因も常に変化していますが、特にビッグワードにおいては店舗の住所エリアや検索地点からの距離の影響が徐々に増している可能性があります。

平太周は大崎エリアに位置するラーメン店であるが、そのような状況を受けても8月時点で上位20位以内にランキングできています。
平太周ではマイビジネスの活発な運用（投稿、クチコミの返信、コンテンツチューニング）やサイテーション管理など、多岐に渡るMEO施策を行っているため、大崎エリアに立地しながら五反田駅周辺からの検索対象となるラーメン店として最上位の評価を受けることに成功している店舗と言えます。

【キーワード：ラーメン】

深夜〜朝、昼、夕方〜夜　の3つの時間帯ごとのランキングの状況

店舗のコアな営業時間帯は「昼」と重なっているため、昼時間帯の閲覧回数（インプレッション）が多いと考えられます。

順位データを見ても、「昼」時間帯の順位は3つの時間帯の中でもっとも高いことがわかります。

「昼」と「夕方〜夜」には、それほど大きな差は見られませんが、夜のほうが若干ランキングは下がっています。

「深夜〜朝」の時間帯では、「昼」に比べてランキングの違いが顕著にあらわれています。

深夜帯は、朝方まで営業している店舗、24時間営業の店舗などのランキングが総じて高い傾向にあることから、店舗の営業時間は、検索時間帯ごとのランキングの変化に大きく影響を及ぼしていることがうかがえます。

「キーワード「ラーメン（検索地域：五反田駅）」
2019年8月22日「深夜〜朝時間帯」の検索結果に出ている上位10位の閉店時間

総じて朝方まで営業している店舗が上位を占めている。

今回のレポートでは、Googleのカテゴリーとしては「飲食店＞ラーメン店」、キーワードは単体ビッグワードと地域ワード掛け合わせでのデータ比較だけを調査しましたが、調査期間中にもそのランキングの状況は大きく変化しました。

GoogleマップはUXやアルゴリズムの改善を日常的に行っているため、今後も状況は大きく変わっていくと考えられます。

MEO施策でもっとも大切なことは、

• どの地域で多く検索されているのか
• どの時間帯で多く検索されているのか
• どのキーワードで多く検索されているのか

の3つを常に意識することでしょう。

店舗との距離が近く、競合店舗も少ない地点で検索すると、上位に表示される確率は基本的に上がります。
ただし、それがただちに集客に結びつくわけではありません。

検索ニーズの高いワードを考え、そのキーワードがどのエリア、どの時間帯で検索でされた際に自店舗が上位に表示されていることがもっとも有効であるかをしっかり定め、その解析に適したデータを収集し、緻密にマイビジネスの運用・対策をしていくことで、表示回数（インプレッション）を上げてユーザーに幅広くリーチすることが大切です。

「らーめん平太周 味庵」では、Googleマイビジネスのガイドラインに沿った運用・対策を2019年4月にスタートしました。

その後　Gyro-n SEOのMEO機能をテストしながら検索順位データを集めてあらゆる問題点を分析していった結果、距離、時間帯など検索する際の条件の違いにより、検索結果も大きく異なることがわかりました。

ただ単に順位が高い地点のデータだけを集めても集客改善には結びつきません。

Gyro-nは、正しく幅広い条件で正確なデータが収集でき、施策の結果もデータとして確認できる、そんなMEOツールを開発しました。

4月の施策スタートから、着実に間接検索（ビジネスの商品やサービス・カテゴリで検索）が伸びていることがデータとして確認できます。

キーワードやカテゴリによって検索結果は様々ですが、正しくデータを取得し分析することで、仮説をもって対策を打つことができます。

Gyro-n SEOのMEO機能は、施策後のデータの推移や競合他社の動きなど、MEO対策に欠かせない機能を盛り込んだツールとして今後もアップデートを行ってまいります。