インバウンドマーケティングという考え方。ユーザーから自主的に興味を持ち、あなたのサイトにやってくる。

2013/12/19
  • インバウンドマーケティング

従来のマーケティング手法

マーケティングという言葉を聞いて、どのような風景を思い浮かべるでしょう?
市場をリサーチしてその動向を調べ、消費者の興味の方向を知り、自らのサービスに興味を持ちそうな消費者が集まっていそうな場に広告を打ち出す。
テレビCMや新聞・雑誌広告、折り込みチラシ、ポスターといったアナログメディアから、インターネットサイトのバナー広告といったデジタルメディアまで、その媒体は様々ですが、顧客となる見込みの高い消費者の集まっている場にプロモーション活動を行って自らのサービスに勧誘するという考え方は共通です。

こうした、マーケティングの対象者がすでに集まっている場、ないしはイベント運営者、テレビ番組制作者、サイト運営者などのメディアが集めてくれた場に対してアプローチを仕掛けていく従来のマーケティングの考え方を、これからお話しするインバウンドマーケティングに対して、「アウトバウンドマーケティング」と呼びます。
英語のoutboundには、「飛行機・船などが外国行きの」「交通機関などが郊外に向かう」といった、中心から外に向かうニュアンスがあります。
マーケティング用語としてのアウトバウンドには、情報を消費者(外)に対して打ち出していく、という意味があります。
これに対してインバウンドマーケティングという言葉には、消費者の方から情報を取りにやってくる、内向きの流れがニュアンスに含まれます。

ウェブの発展と消費者意識の変化

従来はこのように、アウトバウンドの考え方によるマーケティング活動が広く行われていましたが(現在でも廃れたわけではありませんね)、ウェブの発展に伴って消費者の意識が大きく変わってきたことで新しいマーケティングの考え方が生まれました。
インバウンドマーケティングという言葉はブライアン・ハリガン氏が2005年に提唱したのが始まりのようですが、この考え方では情報を外に打ち出すのではなく、自らの努力で消費者を惹きつけ、消費者の方からアプローチをしてもらうことがスタートとなります。

Google検索がこれには大きく貢献していますが、近年のウェブの発展によってマスメディアなどを介さなくても消費者が直接情報を探し出せる状況が整ってきました。
消費者は自分が知りたい、必要としている情報があれば自ら検索を掛けてその情報を探し当てることができます。Googleの技術も日々発展してきていますのでかなり正確に必要としている情報に到達できるようになっています。
また広告バナーのブロック、メールの着信拒否などもできるようになり、インターネット上では押し付けられる情報に対しては消費者が忌避することも多くなりました。広告自体は依然有効ではありますが、自分の求める情報として価値のある広告でなければ見ません。それとかけ離れた広告には見向きもしなくなったばかりか、悪印象まで与えかねない状況です。
かつてはお金さえかければ上位に表示されていたGoogleAdwordsなどのリスティング広告も、現在では単純にお金を掛けただけでは上位表示されず、金額と合わせて検索キーワードとの関連の深さも無ければ上位に表示されません。
単純に広告予算を掛けただけの、関連の薄いリスティング広告では、ユーザーがクリックをしなくなったという事情があるのでしょう。
ウェブ上に関しては情報の選択権はもはや広告主側にはなく、消費者の側に移りつつあります。

また、ソーシャルメディアの影響も見逃せません。
facebookなどのソーシャルメディアの発展によって従来のアナログなクチコミの力が増大し、一般消費者であっても情報を広められるようになりました。
これにより、本当にいいもの、いい情報だと思ったものに関しては消費者自らがそれを広められるようになっています。

マーケティングを行う側の視点から見ても、ウェブの発展によって、メディアなどの他人の手を介さずに、直接消費者にアプローチができるようになっているというのは大きな変化です。
例えば、かつてメディアに向けてのプレスリリースを作っていたリソースを使って、直接消費者に届けるニュース・情報を作るほうが効率的です。
また、情報がウェブ上に氾濫する時代になったため、従来のアウトバウンド的な手法では情報が消費者になかなか行き渡りません。結果としてロスが大きくなり、コスト高を招きます。
こちらから消費者に情報を届け切れず、逆に消費者から情報を探すことが可能な状況になったとなると、こちらが打ち出したい情報を送るのではなく、考え方を180度変えて、消費者から見つけてもらいやすい、消費者が知りたい情報を出すこと、そしてそれを消費者から見つけてもらいやすいように工夫するところがマーケティングのスタートラインになります。

情報が選択される時代にマーケティングはどう変わっていくべきか。
その一つの有力な回答が、インバウンドマーケティングという考え方であるといえるでしょう。

インバウンドマーケティングの4つの局面

それでは具体的にインバウンドマーケティングというのはどのように進めるのでしょうか?
提唱者のブライアン・ハリガンは、以下の4つの局面を提示しています。

1. Attract:ユーザーを惹きつけて、見つけてもらう

まずは、消費者にこちらの存在を認知してもらうところがスタートとなります。
こちらが言いたいことではなく、消費者が知りたいことを考えてその情報を発信します。使用する媒体としては会社やサービスのウェブサイト、オウンドメディア、ブログ、facebookページやtwitterなどのソーシャルメディアなどが考えられますが、それらはあくまで情報を伝達するだけのツールです。
重要なのは、消費者の望みに沿った情報として自社で打ち出せるものは何かを考え、その情報をどのような形で打ち出せば想定する顧客に気付いてもらえるかを考えることです。そのためにはしっかりしたペルソナを作って消費者像の定義を行う必要があります。

そうして用意された消費者に向けての情報は、インターネット検索を通じて消費者に見つけてもらうことになります。
ですから、この局面ではSEO(サーチエンジン最適化)も重要な手法となります。こちらの持つ情報に、見込の消費者に正確に気付いてもらわねばなりません。
そのためにはコンテンツに目的の消費者像に合わせたキーワードを選定して埋め込んでいく必要があります。
ただし、この段階ではまだ相手はあなたの商品・サービスの顧客ではなく、単にそれに近いニーズを持った消費者にすぎませんから、キーワードもそれに合わせて裾野を広く想定していく必要があります。

2. Convert:リード(見込み客)への転換

次の局面では、こちらの情報を見つけてサイト(ブログやソーシャルメディアを含め)を訪れてくれた訪問者をリードに転換させていきます。リードとは「見込み客」のことです。

この段階ではまだ商品やサービスそのものへの興味ではなく、こちらが提供した情報に対して多少の興味を持ってくれただけにすぎませんから、これら訪問者を見込み客にしていくには、有益な情報を提供し続けられるよう、今後の継続的なコンタクトの手段の確保が必要となります。
具体的なツールとしてはメールマガジンへの登録フォームであったり、facebookページへの「いいね」、twitterアカウントのフォロー、あるいはもっと簡単にウェブサイトのブックマークやRSSの受信をしてもらうことなどもそれに当たるでしょう。
サイトに訪問したランディングページからメールマガジン登録などへスムーズに流れてもらう必要があるため、そこまでの分かりやすい導線を決めるUI設計や、入口となるランディングページを訪問者の意向に合わせたものに調整するLPO(ランディングページ最適化)、最終的な申し込み、登録を行うエントリーフォームの障壁を下げ、そこでの離脱率の改善を図るEFO(エントリーフォーム最適化)などの手法が非常に重要となってきます。

こうしてコンタクト手段を確保したリードに対して、Attractの局面以上に有益な情報を提供していきます。

3. Close:顧客化する

リードに対して製品・サービスの紹介や提案を行い、いよいよ顧客となってもらう局面です。
いうなれば、通常の営業活動、販促活動という部分になりますから、その手法は様々で一概にこうとは言えません。
たとえば、メールマガジンを通じて見込み客が興味を持ちそうな情報を提供しつつ、関連した商品の紹介を行ったり、無料サービスを提供した上で有料サービスへの転換を働きかけたり、といった活動が考えられます。

リードのこれまでの志向や活動内容、地域、性別、年齢層などの情報を管理・分析することで、自社の製品・サービスを、育てたリードに効率よく売り込む方法を探ります。

4. Delight:満足を与える

これは何もインバウンドマーケティングに限った話ではなく、サービス・商品を提供する者としては当然の心構えかも知れませんが、顧客に対して満足を与えなければなりません。
サービスそのものの品質もさることながら、その後のユーザーサポートであったり、顧客の指向に合わせたさらなるサービスの提供だったりを通じて、引き続き顧客と良好な関係を続けます。
これにより、その顧客自身がリピーターとなってくれる効果もさることながら、場合によってはクチコミやソーシャルメディアでの拡散によって、自社に成り代わってプロモーターとしての動きも期待できるでしょう。

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